自然の素材

森林

自然の力

 癒しの時代と言われます。
社会が複雑になりIT化・デジタル化の現代において、人間は緊張を強いられ自然から離れた生活をしている人が多いからでしょう。森林セラピーやアロマテラピー、タラソテラピー(海洋療法)などの自然セラピーさかんで、医療にも多く取り入れられています。
 特に森林療法はその効果が科学的に立証されています。森林に入って五感で自然を体感すると、脈拍や血圧が下がって自立神経が安定し、ストレスホルモンであるコルチソールやアドレナリンが低減します。よってストレスが軽減し免疫機能が向上します。人間は自然から生まれた生物なので、自然からエネルギーをもらうことで生かされ癒されているのです。
 人は一日の90%を室内で過ごすと言われます。その空間をなるべく自然に近い状態にし、家本来の力を見直すことは現代人にとって重要なことです。

(参考)(独)森林総合研究所「森林セラピープログラム」、

       NPO法人 日本ホリスティック医学協会
 

自然の素材

 もともと自然界に存在する木、石、紙、草、土などを純化や精製などの過程をなるべく経ず活かしたものが自然素材です。建築でいうと、木材を合板などに加工せず、そのままサネ加工などを施して施工できるようにしたものであったり、消石灰を原料にした漆喰壁材などがあります。天然の素材には温もりがあり五感に心地いいだけでなく、耐久性や調湿性に優れたものが多いのです。人の体に無害で有害な化学物質を含みませし、自然に還る素材なので環境への負荷も小さくてすみます。
 伝統的な日本家屋はすべて天然素材を使用し、職人がつくっていました。やがて高度経済成長期を迎え、家づくりは効率化、不燃化に重点をおき工業化された新建材で建てられるようになりました。しかし石油化学製品による有機質材が人間の健康に害を及ぼすシックハウス症候群として問題になり、素材の安全性が改めて問われるようになりました。私たちは自分の住環境に自分で責任をもたなくてはいけません。
 家をできる限り自然で安全な状態に戻すことが必要です。天然の素材を使用しているという実感が何よりの安心感となってくつろぎの空間を生み出します。

 

無垢材

 健康で心地いい住まいのため無垢材を使用するなら、その性質について知り、理解する必要があります。
 
 ■自然のままの素材ですから木材は呼吸しています。そして森林浴の効果として代表的なフィトン
  チッドを含むよい香りを放ちます。
 ■無垢材は木が呼吸できる状態で使用する必要があります。無塗装が一番ですが、塗るとしても自
  然塗料で被膜を作らないものに限ります。表面の傷や汚れはやがて深みとなり味となります。
 ■空気中の水分を吸収し放出するので材料に動きが生じます。しかし、同時に室内の湿度調整を行
  ってくれます。

 構造材や建材でもっとも多く流通しているのは集成材です。
 低コスト、強度、サイズが安定しているという理由で多く使用されています。しかし、接着材で張
 合わせた木材がどのくらいの耐久性を持つのでしょうか?
 実際に数十年たった集成材はどこにも存在しておらす、未だ実証されていません。
 
 多くの歴史的木造建築が立証する無垢材の耐久性こそ疑う余地のない真価です。
 

家本来の力と私たちの願い

  現代は工場生産される新建材を使用し、ハイテクな住宅設備を備えることで、断熱性や気密性、
 耐震性などの住宅性能を上げ、省エネ化することはいくらでも可能です。しかしその技術や設備
 の性能は永遠とはいえません。それは技術ばかりが先行し、住む人との距離が遠くなっているよ
 うに思えます。
 
  無垢の木で職人がつくる家には、ハウスメーカーなどの規格化された家にはない力強さがあり
 ます。太い柱と梁で組まれた軸組みの家は耐震性、耐久性に優れ、年月とともに味わい深い趣きを見せます。そこには匠の技と心があり、それが住む人の愛着となっていくのです。
 これら家本来のちからは月日を経ても変わることはありません。
 
  天然の無垢材でつくる家は「空気がちがう」と感じられることでしょう。空気を浄化する木材
 本来の力で清々しい空気を生み出しているのです。無垢材ですから傷つきやすく、汚れも気にな
 るところでしょう。しかし実際には簡単なメンテナンスで気にならなくなるものです。ありのま
  まの自然をおおらかさをもって受け入れ、生活を楽しんでください。木のぬくもりに包まれた快
  適な暮らしを楽しんでいただくことが私たちの願いです。  

  良い素材で家を建て、自らメンテナンスしつつ大切に住み継いでいく。
 自分の家について、もっと知り、理解し、納得し、自然の恵みに感謝しながら暮らしていく。
 シンプルですが、そんな住まい方が地に足のついた豊かな暮らしを実感させてくれるはずです。